2018年4月16日月曜日

知覚と次元

前のページでは構造的な視点から
次元の論理を考察しましたが…

実際の所

この世界は何次元で構成されているのでしょうか?



…まぁそれは
根源的には断定が出来ない事なのかも知れません。

なぜなら知覚者にとっては
知覚パターンさえ成立すれば世界が成立するからです。

つまり我々が知覚している次元と現実の次元が
同じという根拠がないのです。

この事をもう少し具体的に考えてみましょう。

我々の知覚パターンを構成する個々の神経細胞は
単独で己の位置を知っている訳ではありません。

全体的な信号のタイミングや他の細胞からの
接続状況等によって
知覚が構成されると考えられます。

例えば事故によって腕をなくした人に対して
脳に電気刺激を与える事でなくしたはずの
腕が存在していると思わせる事が出来たりする
らしいです。

これは「現実の物理的な位置
という感覚が必ずしも事実を反映している訳ではなく
脳内で作られている可能性を示唆しています。

従ってちょっと大雑把な話になりますが
仮に神経細胞などの知覚と関係する要素を
2次元平面上に配置し直してから信号の順序やタイミング
等を調整する事が出来れば
2次元平面に存在しながらも3次元を知覚する知覚者を
作る事が出来るかも知れません。




この様に我々は世界を客観的に把握したくても
あらゆる知覚や思考は主観で出来ているため
本当に客観的に世界を観察できているかに関しては
断言が難しい分けです。

この事はバーチャル空間で動作する人工知能
について考察した時にも浮き彫りになります。

人工知能を知覚者として認めた場合
彼らは何次元の世界に住んでいる事になるでしょうか?


例えば2次元のゲーム世界用に作られた知能なら
世界を2次元的に理解するでしょう。
しかし実際に彼等の思考の元になっているのは
3次元空間に存在するコンピューターです。

それでもコンピューターで実行するプログラムが
電気信号のオンとオフの配列で表せるから…

等と考えていくと知覚と次元の関係には多様な可能性がある様に
思えます。


従ってこの世界が3次元空間+時間で構成されている
という考え方も一つの推測だとか基準に過ぎないと
言える訳です。

時空現象論においても絶対的事実として
世界が3次元空間+時間で構成されている」と
言いたいのではなく
特に必用がない限りはそう考えておくのが
分かり易いと思ったのでそういう前提に立っている
という面があります。


しかしながら現象形象説が正しいなら
3次元+時間以外の次元は無形事象、
つまり理論的な存在
だと考える事が出来るという事は
指摘しておきます。


つまり仮に世界の説明に4次元を超える
高次元が有用だという理論を作ったとしても
その理論通りに世界が動いている事を確認するには
3次元空間+時間によって表現される
形のパターンに頼る他ないと思われる分けです。




[ホーム]   [次へ]

0 件のコメント:

コメントを投稿